以前、我が師が口を酸っぱくしてまでも、弟子を指導していたこと。
それは、『見た目に安心するべからず。』『隠された本心を見抜く力を身に着けるべし。』
何事にも、注意深く目を向け、ちょっとした変化を感じることができるケアマネジャーになりなさい。
という教え。
今思えば、我が師は周りの変化を感じる事に、長けていた人だった。
日頃から、対応している、ケアマネジャーのケース。
自分の力には、まだだ課題がいっぱい。
迷い、立ち止まる毎日の繰り返し。
『見た目に安心するべからず。』『隠された本心を見抜く力を身に着けるべし。』という教えの実践。
僕は、まだまだだな・・・・・。
少し前の出来事。
みずほの事務所に、時々顔を出すお友達。
ヤン:・・・・。まだまだ、距離感を感じるこの頃。
そう思っていた、ある夜の出来事。
その日は、珍しく、事務所周りは静まりかえっていた。
僕が大好きな、カラオケ店も。息抜きに最適な、喫茶店も。僕のために、激辛対応してくれる、カレー屋さんも。
すでに閉店。明かりも消されて。通路も、施錠されていた。
ヤン:『そうか。今日は、〇曜日だった。』
この〇曜日は、お店も早く閉店する日。
僕は、今日の仕事の整理と、明日の準備だけ済ませる事にした。
一応、通路の中を見渡して、事務所に入る。
内扉も、しっかり閉じている。暗くなると、通路は気味が悪い。
ひとっ子、ひとりいない状況だが、すこし『ほっ』とする。
それから、自分の用事を片付け始める。
10分程、時間が経過。
すると、小さな声がする。
『にゃ~。』
ヤン:外に猫がいるんだな。珍しいな。
『あの猫かな?』『たまには、顔をだしてこようかな?』
そう思いながらも、自分の用事に集中する。
再び周りは沈黙に包まれる。
その後、何事も無く時間は経過。
すると、再び小さな声。
『にゃ~、にゃ~。』
ヤン:外で、喧嘩でもしているのかな?。
そう思い、再び自分の用事に集中する。
再び、事務所の周りは、沈黙に包まれる。
・・・・包まれる。
・・・・包まれる、事は無く。
『にゃ~、にゃ~、』
鳴き声の連続になっていた。
ちょっと、不安になった。まさか?、という気持ちになった。
だから、外に恐る恐る、出てみる。
ヤン:ほらね。外には、誰もいない。駐車スペースには誰もいない。
僕一人だけだ。
なぜか、得意な気持ちになって、何気に後ろを振り返ると・・・・。
そこには、予想外の光景が。
↓
↓
↓
↓
ヤン:・・・・。(何々?。なんでそこにいるの?。)
顔なじみ:『何故か、閉じ込められました。』
一瞬の沈黙のあと。急いで、救出した。
僕はしばらく、あの猫を、見守ることにする。
そうすると、僕に後ろを向けたまま。しばらく、その場に滞在。
10分ぐらい、その場を離れない・・・・あの猫。
そんな、後ろ姿に、思わず声をかけた。
『久しぶりだね。もしかして、僕が閉じ込めたかのかな?。そうだったら、ごめんね。』
その後も、周りをキョロキョロと見渡していたが、やがて何処かに去っていった。
あの子は、背中で何を語っていたのだろう?。
あれこれと、持てるだけの知識を総動員したが、分らなかった。
漢は、顔なじみの2人の、背中に語りかける。
だけど、あの時の事は、今となっては分らない。月が綺麗に見えた。あの夜の出来事より。
ヤン 7.13 22:22V+ より