昨日認知症の事を少しブログに書いたら、タイムリーなニュースがありましたね。
アルツハイマー病の進行を長期間抑えることが出来る薬『レカネマブ』をエーザイが開発し、アメリカが条件付きでその薬を承認したと言うニュース。
今までの薬は一時的に症状が抑えられるだけで、認知症の症状を抑えるものではなかったので、この薬が進行を抑えることが出来れば、今までにない、認知症に対する薬になると思う。
でも、このニュースを見ていて、1つ気になることが。
この薬を使って効果がある人は、認知症の症状が進んでしまっている方ではなくて、認知症の初期段階の方に効果があるのだそう。
なので初期段階のうちに、病院へ行き、この薬を投与する必要がある。
それって言葉では簡単に言っているが、現実的にかなりハードルが高いように思える。
ケアマネジャーの仕事をしていると、色んな相談を受けるのですが、認知症の初期の段階や、症状が出ている方を病院に連れていくこと自体、とても難しいんですよね。
骨を折ってたり、皮膚にぶつぶつが出来ていたりすれば、病院に行きましょう、と言って、病院に連れていくことが出来るが、認知症の場合、目に見えるものではないですし、初期の段階の方に、認知症の検査に行きましょう、なんてとても言えないですし、言えば反抗されて、もっと行かなくなってしまう。
車の運転なんかもそうで、
認知症の方の免許返納がすごく大変で、ご本人は認知症と分かっていないので、まだまだ運転できると思っている。
でも、周りから見ていれば、車の色んなところをぶつけていたり、標識や交通ルールを間違えたり、返納したいけど、本人が認めないし、そんな話ししようものなら、しまいには怒ってしまう。
そんなこともあるので、新しい薬が出来たとしても、認知症の初期段階の方を病院に連れていき、認知症の薬だよと言って、治療が出来るのか?
それの方が難しいような気がする。
認知症の症状が、重度の方を介護したことがあるが、本当に怖い病気だと思う。
今までの常識や、日常生活のことが分からなくなってしまう。
この仕事を始めた頃に、老人保健施設で働いていたのですが、トイレに溜まっている水を手で掬って飲もうとされたり、便を失敗されて、それを隠すために壁に便をなったり、目の前に物があれば、消しゴムやティッシュなんかも食べてしまうんです。
まだ介護の仕事を始めたばかりの時だったので、すごくショックでしたね。
認知症と言う病気は、まだまだ今の医学では治せる病気ではないが、近い未来に治せる病気になっていてほしい。
認知症と言う病気をもっと知って、早期の治療が出来るようになってほしい。
かわ