仕事で車の運転した時。
いつもの道で、いつもの時間、事務所までの道のり。
ふと、歩道に目が行く。
ケアマネジャーの仕事をしていると、歩道や、お店でも、高齢者の方がいると、どうしてもみてしまうんですよね。
お節介ながら、転倒しないかな? 荷物持てるかな? シルバーカー押してる人には、家まで帰れるかな? 乗せて行来ましょうか?
って何度も思うことがある。
その日も歩道にふと目がいって、見えたのが、高齢者の男性。
歩道で佇んでいる高齢男性。
どこにでもある風景。
私もその高齢者を見ながら、事務所の方に車を走らせる。
この仕事をしているからなのか、過ぎ去った後でも、その高齢者のことが気になる。
何かは分からないが、違和感のようなものを感じだんですよね。
居ても立っても居られなくなり、事務所近くまで来たのですが、引き返すことに。
高齢者を見つけたあたりまで来ると、少し移動はしているものの、まだ歩道に佇んでいる。
車を停めてその高齢者に声をかけようとした時に、手に持っているのが、靴を持っているんですよね。
靴を手に持っていて、履いている履き物はサンダル。
明らかに何かおかしい雰囲気。
声をかけてみると、大丈夫ですか? の返事には『大丈夫』と答える。
『近くの方ですか?』と聞くも、『近くだから大丈夫』
違和感がなければそれで終わるところなのですが、やっぱり何かが違う。
と思って、色んなお話をするのですが、辻褄が合わないことを話される。
認知症の可能性が高いんですよね。
とりあえず暑い日でもあったので、水を飲んでもらい、警察に電話すると、来てくださり、対応してくださる。
警察の方もその方を見るなり、〇〇さんじゃない? って声をかけられるんです。
話を聞くと、何度も家を出るんだけど、認知症で帰る場所が分からず、徘徊しているのだそう。
すぐに家が分かり、無事に家に帰られたのですが。
家には奥様と2人暮らしとのことで、奥様のことが心配になる。
介護ってご本人のことももちろん大切なのですが、ご本人と同様に大切なのが、
『家族』
何ですよね。
家族の中でも、介護をしている家族。
2年前にも、高齢者夫婦で、奥様が認知症。
いわゆる『老老介護』
仲のいいご夫婦で、いつも2人で近所を散歩したり、買い物に行っていたそうなんです。
そんなご夫婦でしたが、奥様の認知症の症状が進み、旦那さまの介護量はどんどん増えていく一方。
介護に疲れて旦那さまが選んだ選択が、
一緒に死ぬことだったんです。
奥様にオレも死ぬから、お前も一緒に死のう。
と言ったら、奥様は『いいよ』と。
結局旦那さまは奥様を殺めた後、自分も死のうとしたけど、死ねきれず、殺人犯になってしまい、もっと苦しい思いをしてしまう。
仲のいいご夫婦で、周りに迷惑をかけまいと、一生懸命にお二人で頑張って来たんだろうなと、
想像します。
ケアマネジャーの仕事をしていて、どうしてもご本人のことばかりが中心になってしまい、ご家族のことに目がいかなくなってしまう時があるのですが、
どちらも無くてはならない存在。
ご本人さま同様、ご家族さまのケアも必要なんですよね。
かわ