ビューティフルライフ②
~ひとりでいた日々~
心のカッコよさ
出演
オグヒロ
ナベ
脚本なぎ
『ダサかった』
笑うしかないほどに、オグヒロダサかった。絶対聞いてはいけない言葉を僕は耳にしたんだ。
なぁ杏子。本当に僕はこれであってるかな。この服に手を通した途端、杏子が浮かび上がるんだ。
ふたりでいた日々を思い出すんだ。画面上の美しい君だった。僕は、一瞬であの日のキムタクに変身するんだ。あの日杏子を誰よりも愛していたよ。
杏子はいつも強がって、何故私なんかに優しくするの?出逢わなければ良かった。そんなことを言ったよね。僕にはもっと釣り合う人がいるって。何故私なの?いつも強がっていた杏子の姿。常に我慢させていたんだよね。
でも杏子はこんな僕を、最後まで愛してくれた。
心こそ
お洒落で着ているのに、後輩までも僕に冷たい目をするんだ。
上から下まで舐めつくすんだ。決して言葉にはしない。でも行動自体が、僕のコーディネートをダサいと言う目をするんだ。だから、上着を脱いでみても、やっぱり同じ顔なんだ。絶対に小ばかにしているんだ。イヤ。この目は哀れな先輩と見ている様に映るんだ。
なあ杏子。僕はこれであってるかな。僕はこの顔見ていると、ただ浮かれているだけなんじゃないか?時々冷静に、目を覚ます時があるんだ。
でもこの服を着た途端、一気に加速するんだ。僕は令和のキムタク。不思議なんだ。
ほら。素直に思う。杏子は僕を愛してくれた。
そんな杏子を心から愛していたよ。心から杏子を応援していたよ。杏子の力になれるなら全てを注ぎたかった。
そしたら、こんなダサい僕を、杏子は愛してくれたこと。よく先輩が僕を心キムタクって言うんだ。
愛する人の為なら、大切な人の為なら、僕がいくらでも頭を下げる。僕がいくらでも犠牲になる。僕がいくらでも守ってあげられる。そんな姿を見て、心キムタクっていつも言ってくれるんだ。
なあ杏子。心キムタクを愛してくれた、ふたりでいた日々。
空は青く澄んでいるよ。空を時々見上げると、大切な人がずっと心の中で生きている。
杏子から学んだこと。同じ年の杏子がもういないこと。改めて思うんだ。人生は一度きりだからこそ、笑って過ごしたい。杏子はオグヒロの人生だから、貴方がひとりになった時、貴方が笑ってくれていたらそれが一番嬉しいって。
僕が1度、前の恋人をバイクの後ろに乗せた時、杏子を悲しませたこと覚えている?だからもう僕は決めたんだ。
ふたりでいた日々
独身の後輩に相談されたんだ。オグちゃん誰かいい人いないだろうか。僕はカッコよくないし。
僕は言った。
心キムタクこそが、一番カッコいいんだと。杏子とふたりでいた日々がまさにそうだった。こんな僕が杏子と出逢えたこと。
でもみんな言うんだ。『ダサかった』
なあ杏子。僕はこれであってるかな。
なんか本当に不安になってきたよ。同時に、この格好で明日卒業検定いけるかな。僕のスタイルは本当、今の時代に適合しているのかな。
でも時々思うんだ。ひとり隅っこ暮らしだった僕が、遂にここまできたよ。例え周りがダサいと言おうが、間違い無く僕は前進しているよ。
『なぁ杏子』
『何で何も言わねぇんだよ』
ビューティフルライフ②
~ひとりでいた日々~
心のカッコよさ
※このドラマは一部フィクションです。
部下の為に、超クレーマーケースを受けたオグヒロ。役所もみんなお手上げケースを、俺がやるだけやる。迷惑をかけないと黙って一人対応。結果心追い込まれ車で監禁。足と手が震える中、僕に何かあれば部下を頼みます。一気に出動。24時間365日連絡体制って、警察と加算取得ケアマネだけか?変えるだけ。
脚本なぎ