私がケアマネジャーの仕事を始めた頃のこと。
介護保険の制度では、サービスを始める前には、必ず担当者会議と言って、利用者さん、ご家族さん、サービス事業所さんが集まって、会議をする事が決められているのですが、
その時の出来事でだったのですが、
利用者さんが飲んでいるクスリに、
『ワーファリン』
と言って、血液をサラサラにするお薬を飲んでいまして、脳梗塞や血栓症を防ぐお薬になるのですが、
ケアマネジャーになりたての私は、そのクスリのことを知らなかったんです。
脳梗塞などを患った方なんかは、比較的飲まれているクスリで、
このクスリを飲んでいる方が、食べてはいけない食材、納豆や、青汁、緑葉野菜があったり、
ケガをしたりして、出血すると、血がサラサラなので、血が止まりにくいので、ケガには注意しなくてはいけないのですが、
そのことを知らなかったので、その担当者会議の時に、看護師さんが参加してもらってたのですが、その看護師さんに、言われた言葉が、
『あなたそんな事も知らないの?』
ケアマネジャーになりたてで、そもそも担当者会議が上手く出来るか心配で、ドキドキしていた私だったので、
そんなことを言われたので、ショックと言うか、知らない自分は恥ずかしいんだ、
そんなことは常識で知っていないとダメなんだと、思ってしまって、
それからの会議はボロボロでしたね…
ケアマネジャーになりたてだったので、勉強することばかりで、
自分が分からない事も、分からない時期で、
知らない事ばかりだったので、確認することばかり、
そんな時期だったので、
『そんな事も知らないの?』
と言う言葉がすごくショックでしたね。
でも、事業所に帰って、先輩の言葉に救われたね。
会議での一部始終を報告して、自分の失敗を報告して言われた事が、
『そんなの知らなくて当然だよ』
と言われたんです。
私は、知らないと恥ずかしいことを、知らなかったと思っていたので、
『もっと勉強が必要だね』
とか
『それくらいの知識は最低限必要だな』
みたいなことを言われると思っていたので、
知らなくて当然と言われたことに、
えっ? と思ったと同時に
すごく気持ちが楽になるのを感じましたね。
そりゃぁ、色んな知識を持っていたり、医療のことなんかも、勉強して、知っていることは、とても素晴らしいことで、知っていて損はないけど、
誰しも、スーパーマンじゃないんだから、知らない事があって当然だよ、
知っている人を、知ることの方が大切だよ、って。
って言ってもらえたんです。
ケアマネジャーが全てを知っていないとダメなんだと思っていたので、
知っている人を、知ってればいいんだ
と思たのは、本当に気持ちが楽になりましたね。
確かに私たちケアマネジャーは、マネジメントをする役目、
自分が動くのではなく、動く人や、制度をマネジメントする立場
ちょっと勉強した知識や、インターネットで調べるくらいの知識で、
あたかも何でも知っているように、アドバイスや決定すること自体が、とても怖いことだと思いましたね。
安心して下さい。
知らなくて当然です。
かわ