カウンターに並んで飲む。大好きな飲み方。
父親が55歳の時に、会社の健康診断にひっかかり、病院に行くと悪性リンパ腫という病気。ステージ4。
何もしなかったら余命一年。
母親から話があると実家に行くと、嗚咽する姉。落ち込む母。びっくりした時。あの時の衝撃。
あまりにも嗚咽する姉を見て、肩を落とす母を見て、弟の自分、息子の自分は妙に不思議と冷静。
そこから始まる闘病生活。病院からの連絡は、全て息子の自分にして。
闘病生活は本人は勿論、家族もとにかくしんどい。特に何でも言えるパートナーは、本当にきつい。
母親がもう辛くて辛くて、くれたひとつのメールをよく覚えていて。
貴方達2人を痛い思いして産んで、本当に良かった。ひとりではもうダメでした。
こうやって心がひとつになっていくのです。家族の絆が毎日毎日強くなり。
父は常に明るく前向きな父で、笑顔は免疫力を上げるから、こう言う時だからこそ、もっと笑ってろって。無理してまで沢山笑っていたものです。
ここでよく言うのですが、あの頃の自分と言えば、ステージ4。余命まで聞かされて、どこかで諦めがあったのは事実。
でも父は誰よりも笑っていて、どんどん身体から悪い癌が消えていくのです。当時まだ保険外のPETと言う、レントゲンの様な撮影をして、それはそれは高い検査の記憶。でも父親の為なら。
全身ガンだった身体が、みるみる消えていくのです。
笑顔の免疫力。こりゃあ本物だって。
そして見事ステージ4を完全克服。そこから父親激変。
生かされた命だと。中古品として、いつ死んでもいい様に、残りの人生とにかく楽しむと。仕事人間が一気に子供達との時間を作る様になり。一気に人が変わっていくのです。
常にと言うより、毎日仕事仲間と飲む父親が、息子の為に、毎月イベントをして下さり、2人でカウンターで、話す言葉は大半が仕事の事。
男はなって。
父が63歳までの、約8年間毎月カウンターで肩並べて飲んで学んだ日々。初めは照れ臭かったのに、途中から親子っていいなって。
とにかく歌を唄う事が大好きで、必ず唄っては、ハシゴする店もやっぱりカラオケのある店ばかり。
とどめは自分の店に連れて行かれ、そこでも歌。ステージに立ち、夜のデイサービスとか言いながら、おじいちゃんおばあちゃんのアイドルで。
自分とは違い、とにかく歌が上手く、もうどこでも歌自慢。いつも笑ってて、とても元気な姿が嬉しかったものです。本気で楽しんでるなって。
一度死にかけた男は、本気で人の為に生きてて、本気で楽しんでて、本気で笑ってる
そんな父の様な貫禄ある方と、今では毎月カウンターで肩並べて。
66の親父。63歳からなくなってしまったカウンター飲みが、その後をもうずっと飲ませて頂いていますが、言う事まで本当よく似てる
昭和の人間。古臭いとこもまた好きな生き方。
ダメはダメだと言って下さるオヤジ。そのオヤジもカラオケがあれば必ず唄う。
とにかく今を楽しむ人。常に人の為に本気で生きてる人。そして大きな貫禄で居心地が良い人。父の生き方に似たそんなオヤジは、やっぱり人気者。やっぱり人生謳歌してる。
66の親父。大切なゾロ目歳。やっぱりいつの間にさらりとお会計。そのスマートさ。そこもカッコいいね。ごちそうさまでした。
さっ本日も一度きりの人生、より笑って元気いっぱいな土曜日になります様に👋
なぎ